2019 年 70 巻 4 号 p. 185-198
本稿では,EPMA主成分化学組成による対比と現地調査結果に基づき,飯縄山西麓における,中期更新世以降の模式テフラ層序を明らかにした。その結果,広域テフラであるAT,DKP,およびAso-4を含めた9層の示標テフラ層を認定した。本研究で新称した中社スコリア層(CS)は,飯縄山の西麓~南西麓に広く分布する飯縄山起源のテフラである。その層位はATとDKPの間に存在し,この間の褐色ローム層の堆積速度を考慮すると,CSの噴出年代は約45~51 kaであると見積もられる。