東北地理
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濱田港修築の地理學的考察
池田 雅美
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1951 年 4 巻 1 号 p. 37-40

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抄録

1. 港の成立, 發展には大別して的關係と外的關係との2つ條件があり, これらが相互に依存して發達の要因となる。特にヒンターランドは重要である。
2. 濱田港は自然の良港として朝鮮の浦項とは定期航路になつたこともあり, 明治29年開港したが大正9年頃より衰微し漁港として登達した。ところが太平洋戦争中, 北朝鮮と裏日本との交通が發達し, 裏日本から大陸えの最短ルートとして地理的位置の優秀性により再び開港として修築されることになつた。
3. 修築までの濱田港は港域に散在している荷揚場であり, 輪出入主要貨物噸數, ヒンターランドの主要産物及び人口などの上からみても微々たる1小港である。
4. 修築計画を通じて2つの條件から考察すると内的條件からは適性を得ているが, 外的關係特に港市の人口, ヒンターランドが貧弱である。従って港發展の爲にはヒンターランドを廣島を中心とする山陽, 北四國にまで擴張することが必要である。又その爲には必然的に陰陽連絡實現が肝要であり, これが實現してこそ修築の意義が成立すると思われる。

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