季刊地理学
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新潟県湯沢町中子地区におけるリゾートマンション集中立地の歴衣史的背景
川口 裕輔
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1997 年 49 巻 3 号 p. 151-162

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抄録

新潟県湯沢町は交通アクセスに恵まれ, 大観模なスキー場を有するリゾート地である。1986年なかこしもなかこ以降リゾートマンション建設が急速に進み, 同町東部に位置する中子地区, とくに下中子に集中して建設された。下中子に集中立地した要因として以下の2点があげられる。第1に下中子いわっばらの土地所有者の多くが隣接集落の居住者であるうえに, 近接する岩原スキー場への来客者を主な宿泊客とする民宿経営者であり, 彼らはマンション建設に対する抵抗感が少なく, 農地への愛着心が薄かった点である。第2に下中子は1970年代前半に土地改良事業を施工したが, 観光開発を期待した土地所有者の選択によって非農用地区域となり, マンション建設が容易になった点である。岩原スキー場に近接し, 交通至便で, 転用規制が少なく, 基盤整備の進んだ同地区の利点にリゾートマンション建設業者が着目し, リゾートマンションの集中立地をみることになった。

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