季刊地理学
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観光地化にともなう山岳宗教集落戸隠の変貌 (第3報)
岩鼻 通明
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1999 年 51 巻 1 号 p. 19-27

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抄録

本研究の目的は, 長野県戸隠村中社集落の観光地化について, 1975年までの10年間の動向を報告した第1報, および1985年までの10年間の動向を報告した第2報に引き続いて, 1985年から1995年までの10年間の動向を明らかにすることにある。
この10年間の動向として, 前半のバブル経済期は観光客数が急増したが, 後半の経済不況期に入って, 宿泊客数の減少傾向が顕著になりつつある。とりわけ, 1995年に発生した阪神大震災と豪雨災害の影響が大きい。それにともない, 高齢化を主たる理由に廃業する宿泊・飲食施設も現れ始め, これまで拡大の一途をたどってきた戸隠観光にも変化が生じつつあることが明らかになった。また, 併せて1998年に開催の長野五輪への期待や, スキー場とゴルフ場の必要性に関しても調査を行ったが, 総じて長野五輪への期待感には乏しく, ゴルフ場の誘致やスキー場の拡大についても消極的な意見が多くみられた。

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