山形県飯豊町谷地平から得られた湿原堆積物について層相変化を明らかにし, 14C年代測定と花粉分析を行った。花粉分析の結果から, 下位よりYD-1, YD-2, YD-3, YD-4の4つの局地花粉帯に区分した。各局地花粉帯から復元された森林植生は, 次の通りである。YD-1帯: カバノキ属が多く混交する亜寒帯性針葉樹林, YD-2帯: 亜寒帯性針葉樹林から冷温帯性落葉広葉樹林への移行帯, YD-3帯: ブナ林を主体とする冷温帯性落葉広葉樹林, YD-4帯: 冷温帯性落葉広葉樹林とアカマツ林やスギ林
湿原堆積物の層相変化と草本花粉およびシダ類胞子の組成変化からみて, 谷地平には約22,000年前から現在までの間に少なくとも3回, 泥炭層の堆積する湿原が形成されたと考えられる。