季刊地理学
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宇宙線核種濃度から推定される木曽川上流寝覚ノ床における下刻速度
若狭 幸森口 有里松崎 浩之松倉 公憲
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2008 年 60 巻 2 号 p. 69-76

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抄録

寝覚ノ床は, 木曽川上流域の長野県木曽郡上松町にある露出花歯岩からなる地形である。本研究では, この寝覚ノ床の露出花崗岩表面の露出年代値を宇宙線生成核種10Beの濃度から推定した。また, 岩盤表面の強度をシュミットハンマーとエコーチップにより測定した。その結果, (1) 寝覚ノ床は約1.2万年前に露出したこと, (2) 河床からの比高が高いところほど風化がより進行していることから, 露出後に徐々に進行した下刻作用によって形成されたと考えられた。さらに, 岩盤表面の河床からの高度と露出年代値から得られた岩盤の平均侵食速度 (下刻速度) は, 1.7m/kyrであり, この値は周囲の平均隆起速度と調和的である。

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