Thermal Medicine
Online ISSN : 1882-3750
Print ISSN : 1882-2576
ISSN-L : 1882-2576
Case Report
術前温熱併用放射線療法および患肢温存手術にて根治しえた下肢原発線維肉腫の1例
渥美 和重塩山 善之野元 諭大賀 才路吉武 忠正鳥羽 隆史大西 かよ子寺嶋 廣美田仲 和宏松田 秀一中村 和正岩本 幸英本田 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 23 巻 3 号 p. 145-150

詳細
抄録

40歳男性, 下肢原発の線維肉腫の症例. 大腿深部に径24×13cmの腫瘤として認められた. 術前の温熱治療, 放射線治療の併用療法後, 引き続き, 患肢温存手術が行われた. 放射線治療は, リニアック6MV X線を用い, 前後対向2門照射, 1回3Gy, 週5回法で総線量30Gyで行われた. 温熱療法は, 照射期間中に放射線照射後15分以内に開始することを原則として, 週2回併用された. 温熱療法はサーモトロンRF-8を使用し, 腫瘍内温度42°C以上, 加温時間40分で行われた. 患肢温存手術は温熱併用放射線療法終了8日後に行われた. 術後に特記すべき副作用もなく, 患肢機能も温存された. 治療後67ヶ月, 無病生存中である.
 下肢原発の線維肉腫に対し, 術前温熱放射線治療と温存手術は, 患肢機能温存および局所制御の両面で有用と考えられた. 我々は, 術前温熱放射線療法および患肢温存手術にて根治しえた下肢原発線維肉腫を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2007 日本ハイパーサーミア学会
前の記事
feedback
Top