Thermal Medicine
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Case Report
抗がん剤誘発性末梢神経障害に対してサーモトロンを用いたハイパーサーミアが有効であった一例
黒崎 弘正出口 葉子森 信二
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2013 年 29 巻 2 号 p. 59-62

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抄録

60歳, 男性. 肺転移を有する食道がんと診断され, 化学療法とともに, 週2回のペースで, 胸部に対するハイパーサーミアを269回行っている患者さん. 原発巣の食道がんそのものは局所制御されているものの, 肺転移が徐々に増加・増大したため, アブラキサン100-300 mg投与を3週ごとに行ったところ, 著しい腫瘍の縮小をみたが, 末梢神経障害 (主に足のしびれ) にて投薬不可能となり, 末梢神経障害Common Terminology Criteria for Adverse Events (CTCAE) Grade3と診断された. サーモトロンRF-8を用いたハイパーサーミアを足に対して20分間行ったところ, 1回の加温で足のしびれの自覚症状が4割軽減した. 5連日の加温にてCTCAE Grade3から2に軽減し, 加温中は加温部にかなりの熱感は感じるものの, 皮膚熱傷などの副作用は認められなかったので, 報告する.

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© 2013 日本ハイパーサーミア学会
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