Thermal Medicine
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変形性膝関節症の温熱治療を目的とした空胴共振器加温システムの加温特性
- 3次元有限要素法を用いた温度分布解析 -
新藤 康弘渡部 和樹井関 祐也加藤 和夫黒崎 弘正高橋 謙治
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2014 年 30 巻 1 号 p. 1-12

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抄録

要   旨 : 本論文は, 変形性膝関節症の深部温熱治療を目的として開発した, 空胴共振器加温方式の加温特性について述べている. 運動器疾患に対する温熱療法は臨床における物理療法として広く用いられている. 変形性関節症などの関節疾患では, ホットパック, パラフィン浴, マイクロ波治療装置, 極超短波治療装置などの温熱療法が運動療法とともに用いられている. しかしながら, これらの温熱療法には一長一短があり, 加温対象である関節腔内を効果的に温熱治療する方法が確立されていないのが現状である. そこで, これらの問題点を解決するために, 本研究では新たに変形性膝関節症のための空胴共振器加温システムを提案し, その加温特性について数値的検討を行った. 本加温方式は, 人体膝部を共振器内部に設置した内円筒の間隙に挿入し, 非接触状態で加温するシステムである. また, 膝部以外の脚部への不要な電磁界集中を防ぐために, 二つの円筒型シールド板で加温対象となる膝関節部以外の部位を覆い, 効果的に関節腔内に加温エネルギを集中させている. 本論文では, まず, 温度分布解析に用いる, 3次元解剖学的膝モデルを2次元医用画像から再構築する方法について述べる. 次に, 臨床で用いられている変形性膝関節症のための種々の加温システムを使用した際の, 3次元有限要素法による温度分布解析を行い, その解析結果について述べる. 最後に, 本論文で提案している空胴共振器加温システムと従来の加温システムとの温度分布解析結果を比較し, 深部加温の可能性を検討する. これらの解析結果の比較検討から, 本論文で提案している, 変形性膝関節症の温熱治療における空胴共振器加温システムの有用性を明らかにしている.

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© 2014 日本ハイパーサーミア学会
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