Thermal Medicine
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Technical Report
RF誘電型加温装置の加温特性
加藤 博和高杉 庸男田中 龍二郎山本 泰司
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2020 年 36 巻 2 号 p. 59-74

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抄録

山本ビニター社製の誘電型加温装置(発振周波数8 MHz),サーモトロン-RF8が,自励発振方式の真空管を用いた装置,EX editionから水晶発振方式の半導体を用いた装置,GR editionへ世代交代し,小型化した.新型装置の加温特性を実証するため,両装置の加温性能を基本的な加温特性と臨床を想定した加温特性についてファントムを用いて比較検討を行った.

1)ファントム両端に印加される高周波について,高周波出力を100 Wから1,000 Wまで変化させた場合,両装置間の波形は同じであり波形の歪みはみられなかった.

2)加温電力測定用ファントムを用いた実験において,両装置ともファントムを均一に加温することができ,両装置の加温効率はそれぞれ63%,64%であった.

3)1対の電極において,片方の電極の直径を30 cmから7 cmまで変化させた場合,電極が小さくなるに従い加温できる深さは浅くなった.加温できる深さは,両装置において同じであった.

4)ファントムの片面に突起がある場合,突起の温度上昇は突起辺縁に比較して大きいが,その大きさは突起のない面と同じであった.この傾向は,両装置において同じであった.

5)ファントム内に埋没空気がある場合,電極に面した空気近傍のファントムの温度上昇は小さく,電極に面していない空気近傍のファントムの温度上昇は大きくなった.この現象は,両装置において同じであった.

6)ファントム内に埋没骨がある場合,電極に面した骨近傍のファントムの温度上昇は小さく,電極に面していない骨近傍のファントムの温度上昇は大きくなり,骨そのものの温度上昇は小さかった.この現象は,両装置において同じであった.

7)1対の電極が平行に設定されていない場合,深さ方向の温度上昇分布は平行に設定されている場合と同じであったが,横方向の温度上昇分布では電極が互いに接近している方の温度上昇が大きくなった.この現象は,両装置において同じであった.

以上のことから,半導体を用いた加温装置GR editionは,真空管を用いた加温装置EX editionに対して,上位互換機であることが示された.

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© © 2020, 日本ハイパーサーミア学会
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