日本ハイパーサーミア学会誌
Online ISSN : 1881-9516
Print ISSN : 0911-2529
ISSN-L : 0911-2529
遠赤外線温熱治療によるリンパ球におけるHsp70の誘導
伊藤 要子田澤 賢次和田 重人古谷 由香里八塚 美樹安田 智美吉井 美穂小川 耕平田澤 賢一大野 日佐太
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 21 巻 4 号 p. 209-220

詳細
抄録

HSP (heat shock protein) には, 予めこれを誘導しておくことで細胞修復作用や生体防御作用が認められ, 大きな侵襲による損傷を抑制することから, スポーツ競技力向上, 回復にその効果が期待される.これらの背景をもとに, ヒトにおいて遠赤外線照射加温により安全に能率よくHsp70が誘導し得るか否かを検討した.さらに加温による負荷を軽減する目的で, テプレノン服用後に遠赤外線照射の加温時間を半分に短縮し, その効果を検討した.
腹・仰臥位をそれぞれ20分間ずつの合計40分間, 40から42℃に遠赤外線照射加温しHsp70の誘導動態を確認した.Hsp70の誘導は, 加温48時問後で2.64倍 (p=0.051), 96時間後で2.07倍 (p<0.05) と有意に増強した.さらに, テプレノン600mg/日の服用の24時間後に加温時間を半分とした遠赤外線照射加温行ったがHsp70の有意な増加は得られなかった.

著者関連情報
© 日本ハイパーサーミア学会
次の記事
feedback
Top