東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: P-46
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足趾歩行における趾節間関節運動の観察
*椙本 剛史森川 美紀磯田 真理中西 義治大津 顕司山代 啓太西田 美紗子有川 功
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抄録

【はじめに】抗重力機能の評価として足趾歩行速度を測定している.しかし,計測記録は個人差があり,学習することで容易に変化する.系統発生学的に類人猿は前足部を把持機能として使用していた.それをヒトは2足歩行の推進と蹴り出し機能に転用した.前足部機能は生後学習して獲得する必要があり,個人差が現れやすい.今回,足趾歩行時の母趾及び2~5趾の趾節間関節(以下IP,遠位DIP,近位PIP)運動を観察した. 【対象と方法】対象は当院の職員13名26肢(男性3名,女性10名)とした.方法は足趾での前進運動を行い,足部の前額面と矢状面からビデオカメラ(iVIS HF10,canon製)で足趾を撮影し観察した.実施肢位は膝・股関節軽度屈曲位,歩隔10cm,足長は進行方向に並行とした.観察は足趾が接地後屈曲して前方へ推進するまでとし,関節運動が出現した順を記録した.対象を第1趾側角度9°以下の健常群36趾,第1趾側角度10°以上の外反母趾群42趾に分類した. 【結果】母趾IP屈曲が見られたのは健常群では全例,外反母趾群では10脚であった.第2~4趾でIP伸展位からPIP屈曲,DIP過伸展の後にDIPとPIPがともに屈曲する群をA群とした.IP伸展位からPIP屈曲,DIP過伸展のみが出現する群をB群とした.IP伸展位からDIPとPIPともに屈曲する群をC群とした.健常群はA群31趾,B群2趾,C群3趾であった.外反母趾群は A群11趾,B群21趾,C群8趾であった. 【考察・結語】足趾歩行時のIP屈曲運動を観察し,3つのグループに分類した.今後,IP屈曲運動が足趾歩行の推進力にどのように関与しているのかを検討する.

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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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