東海北陸理学療法学術大会誌
第25回東海北陸理学療法学術大会
セッションID: S-24
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病状活動期から理学療法を開始した間質性肺炎の3症例
*石田 修也塚越 智守山 成則
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キーワード: 間質性肺炎, SP-D, 活動期
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抄録

【はじめに】間質性肺炎患者(以下,IP)の理学療法(以下,PT)について,病状活動期から開始した報告は少ない.IPの活動性の指標としては「SP-D」「KL-6」などの特異的血清マーカーが利用されており,今回指標としたSP-Dは109.8ng/mlが活動期・非活動期のカットオフ値とされている.昨年度の新人症例発表において病状活動期のIP症例に関する1例報告を行った.今回,さらに2症例に対してPTを実施する機会を得たので,集約した知見をここに報告する.
【症例】診断名は3症例すべて非特異型間質性肺炎.症例1, 50代女性.入院後14週目よりPT開始,開始時SP-D 211.0ng/ml .症例2, 70代男性.入院後6日目よりPT開始. 開始時SP-D 435.8ng/ml.症例3, 40代男性.入院後3週目よりPT開始. 開始時SP-D 382.6ng/ml.
【経過・結果】PTは全症例において,初期は呼吸状態の改善を目的にリラクセーション,呼吸コントロールを施行した.呼吸状態改善後は呼吸体操,筋力トレーニング,持久力トレーニングを追加し施行した.全症例で退院時にADLの改善を認めた.一方で,症例1と2において著明な運動耐用能の向上を認めたものの,症例3においては維持される結果となった.さらに,向上が認められた症例はSP-Dが非活動期まで改善を認めたのに対し,維持となった症例では退院時においても活動期のままであった.症例1の経過は,開始時, MRC息切れスケールGrade5,胸郭可動性低下,努力性呼吸,呼吸補助筋過緊張,歩行不可,Barthel Index(以下,BI)15点であった.開始後2週目に胸郭可動性,呼吸様式が改善し,経過とともに歩行が可能となり,退院時にはSP-D 61.8ng/ml,連続歩行距離250m,BI80点となった.
【考察】今回の結果より,IP患者において,病状活動期からのPTがリラクセーションや呼吸コントロールによる呼吸状態の改善,運動療法や呼吸コントロールによる運動耐用能の改善・維持を可能にすると考えられた.また,PTの目標設定として活動期であれば運動耐用能の維持,非活動期であれば改善とすべきと考えられるため,SP-DなどによりIPの活動性を把握することがPTを進めていく上で有用であると考えられた.

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© 2009 東海北陸理学療法学術大会
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