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Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Vol. 20 (2008) No. 116 P 277-295

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http://doi.org/10.4052/tigg.20.277

ミニレビュー

最近になって,細胞膜のリピドラフトを巡る多くの論争が起こっている。コレステロールやスフィンゴ脂質に豊富なマイクロドメインは,シグナル伝達,膜輸送,細胞骨格系の編成や病原体の侵入など,様々な細胞機能に重要な役割を果たしている。しかし,これまで生細胞においてラフトを可視化することは困難であった。そして,ラフトの存在を証左するほとんどが,間接的,あるいは,不十分でさえある界面活性剤による抽出といった方法に依存している。生細胞における推定上のラフトの存在に関する直接的研究については,マイクロドメインのサイズ,あるいは,その存在についてさえも,未だに意見の一致をみていない。したがって,ラフトについての決定的な証拠は未だに得られていないといえる。
様々な見解が混沌とする分野の例に違わず,これまでリピドラフト論争の核心にあった数々のモデルやその反モデル,説明や理論は数多くの混乱を招いた。この総説では,ラフト研究に用いられる方法やそれらから得られる短期的な利益だけでなく,これまでと異なるリピドラフト/細胞膜マイクロドメインのモデルを提示しようとしている。加えて,リピドラフトに関する研究の多くで物議を醸している問題(リピドラフトが本当に存在するのか?)にスポットライトを当てるような,有望な新しい研究方法についても紹介する。

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