糖質加水分解酵素はオリゴ糖や多糖類の分解において重要である。様々な糖質加水分解酵素が微生物や植物、動物などから単離され、産業利用されてきた。微生物は有用糖質加水分解酵素の優れた単離源であるが、ほとんどの微生物は実験室において培養することができないか、もしくは培養が困難な難培養微生物である。メタゲノム法は培養を介することなく環境中の微生物ゲノムを利用する手法であり、難培養微生物を含む微生物集団から新規糖質加水分解酵素をコードする遺伝子を単離することができる。本総説ではメタゲノム法によって単離された糖質加水分解酵素の中で、β-グルコシダーゼ及びβ-キシロシダーゼ/α-L-アラビノフラノシダーゼに焦点を当て、その特徴的な酵素学的性質や生物工学的な有用性などについて解説する。