Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ミニレビュー(日本語)
細胞質ペプチド:N-グリカナーゼ(Ngly1)の生理機能
藤平 陽彦
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2019 年 31 巻 179 号 p. J35-J41

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抄録

細胞質ペプチド:N-グリカナーゼ(PNGase, Ngly1)は、糖タンパク質からN結合型糖鎖を切り離す反応を担う糖鎖脱離酵素である。Ngly1は細胞質における糖鎖の分解(非リソソーム分解機構)、および、タンパク質品質管理機構の一つである小胞体関連分解(ERAD)に寄与する。2012年、Ngly1の遺伝子変異が原因の疾患(NGLY1欠損症)が初めて報告された。本疾患は全身に重篤な症状(発育遅延、神経系、筋肉、眼の異常など)を呈するため、Ngly1の生理機能の重要性は明らかである。しかしながら、具体的にどのように生物にとって重要なのか、NGLY1欠損症の病理メカニズムはよくわかっていない。本稿では、モデル生物(マウス、ハエ)の表現型解析により明らかになってきたNgly1の生理機能、Ngly1と転写因子nuclear factor erythroid 2-like 1(NEF2L1, Nrf1)との機能的関連性について、最近の報告を含め、現在まで得られている知見を紹介する。

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© 2019 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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