Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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日本糖質学会40周年記念号論文(日本語)
オリゴシアル酸の合成研究
田中 浩士
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2019 年 31 巻 181 号 p. SJ46-SJ47

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抄録

シアル酸は、カルボン酸を有する酸性9単糖であり、生物学上非常に重要な役割を果たしている。さらに、天然型のαグリコシド結合の化学合成が非常に困難であるため、合成化学における重要かつ魅力的な標的分子である。我々は、これまでに、5N,4O-カルボニル型の保護基を有するシアル酸ユニットが、糖供与体としても、側鎖部8および9位水酸基のシアリル化のための糖受容体としても有効に働くことを明らかにした。それを用いることにより、α(2,8)オリゴシアル酸および、シアル酸を5つ含むガングリオシド(GP1c)の糖鎖部の合成を達成した。さらに、ワンポットグルコシル化と固相脱保護法の組み合わせによるオリゴシアル酸の効率的合成法の開発に成功している。また、7, 8位に遊離水酸基を有するシアル酸糖供与体が、塩化メチレン溶媒中で良好なα選択性を示すことを見出し、グリコシル化におけるシアル酸本来の性質を明らかにすることに成功している。

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© 2019 FCCA (Forum: Carbohydrates Coming of Age)
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