2019 年 31 巻 181 号 p. SJ76-SJ77
ジストログリカン異常症はジストログリカンの糖鎖異常によって発症する筋ジストロフィーの総称である。我々は、ジストログリカン糖鎖にリビトールリン酸という新型の修飾体が含まれていること、また、ジストログリカン異常症遺伝子のFKTN, FKRP, ISPD, TMEM5がリビトールリン酸糖鎖の生合成に関わることを明らかにし、疾患発症につながる糖鎖の全容解明に貢献を果たした。更に、ジストログリカン異常症モデルマウスを用いて病態機序を解明し、それに基づく治療戦略を提唱してきた。本稿では、リビトールリン酸修飾、ジストログリカン異常症の病態機序と治療法に関する最近の知見を紹介する。