Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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グリコサミノグリカンの生合成異常による遺伝性疾患
水本 秀二山田 修平
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電子付録

2020 年 32 巻 186 号 p. J43-J49

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抄録

グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan, GAG)の一種であるコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ヘパリン、ヒアルロナンは細胞外マトリックスの構築、組織の発生などに関わり、細胞外マトリックス成分、モルフォゲンや増殖因子と相互作用することで細胞シグナル伝達など多様な生命現象に重要な役割を果たす。GAGは、様々な糖転移酵素や硫酸基転移酵素がドナー基質であるウリジン二リン酸(UDP)-糖や3′-ホスホアデノシン5′-ホスホスルフェートを利用して生合成される。GAGやGAGの生合成の際に生じるドナー由来のUDPとアデノシン3′, 5′-二リン酸は、リソソームやゴルジ体で主に分解される。GAGの生合成や異化代謝の異常により、それぞれ結合組織疾患やムコ多糖症などのヒトの遺伝病が引き起こされる。さらに、UDPとアデノシン3′, 5′-二リン酸の分解異常によって、それぞれ1型デビュクオア骨異形性症と関節弛緩を伴う軟骨異形成症が発症する。GAGの生合成異常による遺伝病の効果的な治療法は確立していない。本総説では、GAGの生合成異常によって引き起こされる遺伝性疾患を、糖鎖生物学的知見から概説する。

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