Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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シアル酸O-アセチル化の謎
Joe TiralongoRoland Schauer佐野 琴音及川 浩子竹川 寛子
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2004 年 16 巻 87 号 p. 1-15

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抄録

天然に存在するシアル酸はC-4, -7, -8, -9位に水酸基を持ち、この4箇所の水酸基はいずれもO-アセチル化されうる。この修飾はシアル酸を発現するほとんど全ての動物と一部の細菌で見られ、多くの生命現象の調節と関連することが知られている。O-アセチル化によって大きく影響される重要な過程の1つは、癌の発達である。この総説では、ヒトの結腸直腸癌、基底細胞癌、および黒色腫におけるシアル酸のO-アセチル化の役割と調節の解明を目指した近年の研究成果について概説する。O-アセチル化シアル酸の生物学的役割の同定と性質決定は急速に進展したが、このO-アセチル化を担う転移酵素の活性に関する詳細な情報は未だ漠然としている。7(9)-O-, 4-O-特異的アセチル基転移酵素は、それぞれウシ、ウマ顎下腺において30年以上前に同定された。しかし数多くのグループの努力にもかかわらず、これらの酵素の精製やクローニングはなかなか成功せず、未だナゾである。ここで、我々は、数十年にわたって集められたデータを要約し、この不可解な酵素の反応機構と調節の解明をめざした最近の進歩について詳述することを試みる。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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