Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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腫瘍の増殖と転移におけるヒアルロン酸分解
Robert Stern柿崎 育子
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16 巻 (2004) 89 号 p. 171-185

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抄録

皮肉なことに、ヒアルロン酸の分解は、癌の進展も癌の抑制をも促進し得る。ここでは、ヒアルロン酸分解の詳細を調べることにより、この難問の理解を試みる。ヒアルロン酸の異化経路は酵素に触媒される一連の反応から成り、そのうちヒアルロニダーゼはヒアルロン酸を段階的に分解する酵素として働く。ヒアルロン酸のポリマーは、特定の段階で低分子化され、その各々のポリマーサイズが異なった生物活性を有する。各々のヒアルロニダーゼとそれらの分解産物は悪性の形質転換、腫瘍の増殖、浸潤、そして転移の促進あるいは抑制に働くとされる。このような系統的なアプローチは、癌の進展過程で腫瘍細胞が用いる諸機構を明らかにできるかもしれない。また、見かけの不一致を解明したり、有効な治療標的や新しい予後予測マーカーを提供するかもしれない。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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