Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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ヒアルロン酸オリゴ糖と腫瘍の進展
Kazuki N. SugaharaTakako HirataToshiyuki MuraiMasayuki Miyasaka
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16 巻 (2004) 89 号 p. 187-197

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抄録

ヒアルロン酸は細胞外基質の構成成分として存在する高分子ポリマーであり、腫瘍の進展に重要な働きをすることが徐々に明らかになりつつある。ヒアルロン酸の産生は様々な悪性腫瘍で亢進しており、その結果、腫瘍細胞の接着や遊走能が亢進され、シグナリングも媒介される。さらに、腫瘍が進展する際には、分解されて生じたと考えられる低分子量ヒアルロン酸が出現することが知られている。これらの低分子量ヒアルロン酸は血管新生や細胞の遊走能や増殖能の亢進を誘導し、高分子量ビアルロン酸とは異なった作用を示すことが報告されてきた。われわれは、特定の大きさの低分子量ヒアルロン酸が腫瘍細胞表面からのCD44の切断 (CD44 cleavage) を誘導し、さらにCD44依存性に腫瘍細胞の遊走能の亢進も引き起こすことを見いだした。これらの結果から、低分子量ビアルロン酸が生体内でCD44 cleavage の誘導因子として働く可能性が示唆され、腫瘍の浸潤に重要な役割を担うことが考えられる。この総説では、低分子量ビアルロン酸の生物学的活性とそれらの腫瘍の進展への関与について考察する。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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