Trends in Glycoscience and Glycotechnology
Online ISSN : 1883-2113
Print ISSN : 0915-7352
N-グリカン代謝と植物細胞の分化・成長
Megumi MaedaYoshinobu Kimura
著者情報
ジャーナル フリー

17 巻 (2005) 97 号 p. 205-214

詳細
PDFをダウンロード (4019K) 発行機関連絡先
抄録

種子発芽あるいは果実熟成期など、分化・成長あるいは成熟過程にある植物細胞中には、遊離型N-グリカンがマイクロモル濃度で存在する。実生胚軸、登熟期種子、果実中に見いだされる遊離N-グリカンは、ハイマンノース型と植物複合型の2種類の構造に分類でき、前者は殆どの場合GlcNAcl残基のみを有するのに対し、後者はキトビオースユニットを有する。ハイマンノース型糖鎖の生成にはエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ (endo-β-GlcNAc-ase) が、植物複合型糖鎖の生成にはペプチド: N-グリカナーゼ (PNGase) が関与すると考えられるが、植物細胞内における遊離N-グリカンの生成機構とその意義については、未だ不明な点が多い。筆者らは、特に、植物細胞におけるN-グリカン代謝と遊離糖鎖の生理機能に興味を持ち、endo-β-GlcNAc-ase、PNGase及びα-マンノシダーゼについて、基質特異性、細胞内分布、遺伝子構造等を明らかにしてきている。更に、最近、トマト果実熟成の特定段階で endo-β-GlcNAc-ase 活性が上昇し始め、それに付随して遊離N-グリカンの存在量が顕著に増加すること、そして遊離N-グリカンの構造特性も果実熟成に伴い顕著に変化すること等を見いだした。この総説では、植物細胞におけるN-グリカン代謝と植物の分化・成長に関わる遊離糖鎖の推定機能について述べる。更に、最近我々が見出した植物複合型糖鎖の免疫活性についても紹介する。

著者関連情報
© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top