Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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腫瘍細胞のファイブロネクチンの認識における細胞膜プロテオグリカンの役割
J. IidaR.P. MiliusT.R. OegemaL.T. FurchtJ.B. McCarthy飯田 譲二長谷川 剛二
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1994 年 6 巻 27 号 p. 1-16

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抄録

細胞膜プロテオグリカン(PG)は、増殖あるいは分化因子に対する細胞の反応更に細胞のECM上における接着移動において重要な働きをしている。細胞膜PGはECM成分として存在するPGと同様にコアタンパク質とそれに結合した一本或いは数本のグリコサミノグリカン鎖からなる。細胞膜PGの最も大きな特徴はPGとして細胞膜上に発現されたグリコサミノグリカン鎖の糖鎖構造と種々のコアタンパク質に基づくその構造の多様性である。本総説ではPGのECM成分への細胞接着における重要性をまとめ、かつ今まで明らかにされてきた細胞膜PGの構造と機能を述べ、更にECM成分であるファイブロネクチン (FN) への細胞接着におけるインテグリンの機能に言及する。現在、細胞膜PGがインテグリンの様な他の細胞接着レセプターと共同しECMへの細胞の接着を調節していることを示唆する多くの報告がある。FNは細胞膜PGとインテグリンに認識される多様の細胞認識部位がお互いに近傍に存在しているため、FNへの細胞接着においては、これらの細胞認識部位が共同して細胞膜上に細胞膜PGとインテグリンからなるレセプター群 (クラスター) を形成させると仮定される。このようなレセプター群は更に細胞の接着に必要とされるシグナルを形成する。この作業仮説はFN、或いは他のECM成分が細胞に与える情報を部分的に説明するための概念的基礎となり, 更に腫瘍細胞の侵潤と転移を初めとした多くの病態に関与する細胞型特異性を理解するために役立つと思われる。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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