近年、医療分野において、「モダリティ」という言葉が広く使われるようになっており、健康・医療戦略(第二期)においても、「モダリティ」がひとつのキーワードとして用いられている。モダリティとは「医薬品を構成成分、製造法、分子量、作用機序などの観点から分類した種別」を指し、治療薬の分野においては、低分子医薬、抗体医薬に続き、核酸医薬、遺伝子治療用製品などの新たなモダリティが医療現場で用いられるようになっている。一方、ワクチンの領域においても、新型コロナウイルスワクチンの開発を契機に、ウイルスベクターワクチンやmRNAワクチンなどの新しいモダリティが注目を集め、その有用性が実証されつつある。本稿では、治療薬ならびに予防薬(ワクチン)として用いられているモダリティを紹介しながら、新しい仕組みで働く医薬品が実用化されつつある現状をお伝えしたい。