2021年2月17日からファイザー社のmRNAワクチンの接種が始まった。欧米では既に2020年12月からファイザー、モデルナ社のmRNAワクチンだけでなくアストラゼネカ社のウイルスベクターワクチンも承認され接種が始まっている。一方、国産ワクチンはDNA、mRNA、精製蛋白、全粒子不活化ワクチンが開発されPhase I/II試験が終了してPhase IIIの検討にはいっている。先行し認可されている主なワクチンはいずれも従来のタンパク製剤や不活化ワクチンと異なる遺伝子情報に基づくワクチンである。欧米では病原体発見から1年ほどで開発認可されたが、我が国の開発が立ち遅れた要因について考察する。