学術の動向
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第一部 コロナ禍で顕在化した危機と生活課題 ―社会福祉学からの問題提起―
危機・リスクと社会福祉
和氣 純子
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2021 年 26 巻 11 号 p. 11_10-11_15

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抄録

 本稿は、社会福祉の領域で議論されてきた危機やリスクが変容し、新たな危機・リスクへの対応が求められる現状を指摘する。一方で、今回の新型コロナウイルスのパンデミックにより発現した危機が、非正規雇用者の生活保障、ジェンダー不平等、居住保障、社会的孤立などかねてより指摘されていた諸問題の顕在化と捉える点を確認し、社会的脆弱性の不平等を生み出す構造の変革を志向するソーシャルワーク実践の必要性を提起する。従来の施設内におけるリスクマネジメントから、全国的な調整機能をもつBCPや災害福祉派遣チームの整備と、経済的保障にとどまらない相談支援や、ICT等の技術を活用する柔軟で弾力性のある支援のあり方を、社会生態学的レジリエンスの概念に照らして提唱した。

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