学術の動向
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第二部 コロナ禍とメンタルヘルス
コロナ禍におけるメンタルヘルスの実態と科学的根拠に基づく対策の必要性
國井 泰人
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2021 年 26 巻 11 号 p. 11_40-11_46

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抄録

 私たちが現在直面しているCOVID-19流行による社会的混乱は、人々の日常生活や社会経済活動に広範な影響を及しており、今なお収束が見えない現状にある。日本でも、この長期にわたるストレスへの暴露や急速な景気の悪化に伴う失業などの経済問題により、うつ病、適応障害、アルコール関連障害などの精神疾患の発症や悪化及び自殺者数の増加、子どもの精神発達への影響などが懸念されており、メンタルヘルスの問題は極めて深刻である。このメンタルヘルス危機に対しては従来の精神医療の体制や方法論では対応が困難であり、いわゆる「With/Postコロナ」の社会におけるニューノーマルなメンタルヘルス対策が必要である。本稿では、コロナ禍のメンタルヘルスの実態を世界各国の研究報告を交え報告し、脳科学やAI技術などの先端技術を活用した科学的根拠に基づくメンタルヘルス対策を提案する。

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