2021 年 26 巻 11 号 p. 11_47-11_52
新型コロナウイルスの感染拡大と、その対応に伴う政治・経済・社会状況の変化の中で、学校教育を問い直す動きが活発化している。特に、政治主導のもとでの一斉休校は、そのあまりの唐突さによって、「子どもの生活を守る」という学校の機能に光をあてることになった。さらに、学校再開時に行われた「分散登校」は、日本では長く据え置かれてきた多人数学級の仕組みを少人数学級へと導く原動力となった。こうした動きの背景について、コロナ禍直前の学校の姿を、子どもたちの実態と社会構造の観点から捉えることを通して、学校教育の何が問い直されているのかを明らかにしていく。それらを通して、これからの学校教育の姿を検討する。