国際地理学連合(IGU)は地理学を「サステナビリティのための科学」と捉え、国際学術会議(ISC)のフューチャー・アース、UNESCOのESD(持続可能な開発のための教育)、国連のSDGsなどへの関わりを強めている。関連する研究・教育活動の実施主体は主に各国の国内委員会、テーマ別の研究委員会及びタスクフォースであり、役員会が全体を統括し、地理学全般に関る課題や活動への取組、外部の団体との連携や協働などの要となっている。IGU日本委員会は、2005年の日本学術会議改組後は、新設の地球惑星科学委員会に置かれたIGU分科会がその任を担っている。それによりIGU日本委員会の国際的な立場と評価は強化され、国内的にも地球惑星科学、地域研究、環境学をはじめとする幅広い領域との交流や協働の機会が増え、地理学の発展だけでなく、地理学からの発信や国際プログラムへの貢献、提言作成への参加、社会的関心の高いテーマに関する公開シンポジウムの開催等の社会貢献も進んだ。