学術の動向
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新たな地球観への挑戦 ―地球惑星科学の国際学術組織の活動と日本の貢献―
国境のない科学と国境のある科学とのはざま
──国際地質科学連合 (IUGS) の活動を俯瞰する
北里 洋
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2021 年 26 巻 8 号 p. 8_26-8_31

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抄録

 2020年1月、「チバニアン」が中期更新世の地質時代として承認され、国際地質年代表に掲載された。世界基準に基づく時間空間軸があることで、地球ができてから現在までの変遷を辿ることができ、また、これからどうなるかを予測することができるのである。国際地質科学連合は国連型の地質科学に関する連合体である。その活動はシームレスな地球現象をコンパイルするだけでなく、資源エネルギー、防災、地球環境問題などに発言をし、また、地球の将来を担う人材育成に積極的に関わっている。本稿では、国際地質科学連合とは何か、何をしているのかを俯瞰的に紹介し、「人新世」を迎えたといわれる21世紀にこそ、「変動する地球に生きる素養をもつ」ことの大切さとそれを支える組織があることの意味を主張する。

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