学術の動向
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新たな地球観への挑戦 ―地球惑星科学の国際学術組織の活動と日本の貢献―
地球の観測やモデルの標準化
──国際測地学及び地球物理学連合 (IUGG) の活動と役割
佐竹 健治
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2021 年 26 巻 8 号 p. 8_44-8_47

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抄録

 地球物理学は、地球とその周辺の物理現象を調べる研究分野である。地球の形状、その内部構造、地球表面の水や雪氷、大気のふるまいから、地球周辺の磁気圏までを対象として、空間のみならず時間的変化も調べている。このように地球全体を扱うことから、国際的な協力や、観測・モデルの標準化は必須である。国際測地学及び地球物理学連合(IUGG)は雪氷、測地、電磁気・超高層、水文、気象・大気科学、海洋物理・化学、地震・地球内部物理、火山・地球内部化学の各分野で国際連携を行っている。これらの科学協会や連合が中心となって作成した、測地座標系・地球磁場などの標準モデル、数値気候モデルや衛星等による観測は、スマホによる位置情報、天気予報など、我々の生活に欠かせない情報を提供している。さらに、気候変動・地球温暖化・水問題などの地球環境問題、地震・火山噴火などの自然災害に対しても重要な役割を果たしている。

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