学術の動向
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新型コロナウイルス感染症に対する学術の取り組みと今後の課題
日本医学会連合緊急提言: コロナ禍における医療提供体制
──日本外科学会および外科系学会の取り組み
日比 泰造武冨 紹信池田 徳彦永野 浩昭小野 稔北川 雄光森 正樹
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2021 年 26 巻 9 号 p. 9_53-9_59

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抄録

 中国・武漢から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は100年に一度と言われる人類未曾有の危機をひきおこした。日本外科学会は2020年3月に対策委員会を発足させ、外科系学会や日本医学会連合と協力しつつパンデミック下であってもわが国全体で外科医療ができるだけ安定して継続できるよう、さまざまな指針や提言を発信してきた。がん手術や臓器移植など、とくに生死に関わる手術についてはアンケート調査を行い、医療従事者・患者へのQ&Aを随時発出するなど、常に医療現場の実態に即した取り組みを心がけてきた。残念ながら日本のCOVID-19対策は極めて不十分で、地域によっては医療崩壊が生じ、今なお終息のめどは立っていない。今後、COVID-19パンデミックがもたらした国民の健康への影響を多角的に調査し、今回の国家的危機を日本政府、医療行政、医療従事者がそろって総括し、課題を明らかにして解決策を共に探ることが急務である。

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