学術の動向
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新型コロナウイルス感染症に対する学術の取り組みと今後の課題
基礎研究から明らかになった新型コロナウイルスSARS-CoV-2のウイルス学的特徴
浦木 隆太山吉 誠也河岡 義裕
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2021 年 26 巻 9 号 p. 9_79-9_86

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抄録

 新型コロナウイルスSARS-CoV-2の出現以降、このウイルスによる犠牲者を出来る限り抑制するために、我々は大きな制約を甘んじて受けながら生活している。様々な分野の研究者が一丸となって、ウイルス制圧に向けた研究を行っている。積極的疫学調査の成果から、3密(密閉、密集、密接)の回避を周知することで、感染爆発を未然に防ぐことに成功した。また、ワクチン開発では、国外の製薬会社の貢献により、1年という驚異的なスピードで実用化に至った。

 本稿では、SARS-CoV-2がどのような特徴を持ち、どのように人の体内で増殖するか、そして感染した人で起こる免疫応答について、これまで明らかとなった知見を紹介したい。また、人での流行に伴い、様々なアミノ酸変異を持った変異ウイルスが世界中で報告されているが、その中でも特に注目されている変異ウイルスと共に、それら変異ウイルスに対するワクチンの有効性についても紹介したい。

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