近年、自動運転の技術発展と社会実装に向けた法整備の進行に対し、社会的受容性醸成が伴っていないとの指摘がある。本稿では、2019年から実施している「自動車・自動運転に関するアンケート調査」の時系列調査から、消費者の意識を概観し、①オーナーカーにおける運転支援機能の認知度・利用・理解が低いこと、②自動運転の社会実装に必要な受容性ファクターのうち、特に「コスト」と「固有性・技術限界」が課題となること、③消費者における自動運転に関する “WHY” と “WHAT” の理解が “HOW” の検討に先立って重要であることを指摘している。その上で、自動運転の社会的受容性醸成に向け、「地域課題の認識・つながりの活用・親和性の創出」「ヒトと技術の共創・補完」「モビリティの価値の概念シフト」の観点から、具体的なアクション提言を行っている。