学術の動向
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福島第一原子力発電所事故から10年が経過して
変化する社会における原子力事業を社会技術の視点で考える
野口 和彦
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2022 年 27 巻 4 号 p. 4_46-4_51

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抄録

 社会は、地球環境対応による施策展開や新たな技術開発により、その進むべき方向や構造が大きく変化しようとしている。この変革の中にある社会は、多様なインパクトを持つリスクが潜在する社会でもある。リスクは、その社会状況や環境の変化によっても変化してくるため、社会技術システムを評価の対象とするリスクや分析・評価手法も見直す必要がある。

 本論では、まず、エネルギーシステムの検討すべき要件を社会技術システムの社会実装要件として整理した。そして、この検討フレームにおいて、エネルギーシステム全般に検討すべき事項と原子力システム特有の問題に整理した。また、原子力発電システムの社会実装に関する検討要件に関しては、個々の原子力の施設やシステムではなく、原子力発電事業として評価するための要素として整理を行った。

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