学術の動向
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未来社会を生き延びるための生存情報学
社会を活かし, 人を動かす情報の与え方
川合 伸幸
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2022 年 27 巻 5 号 p. 5_64-5_66

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抄録

 人間は、情報の与えられ方で判断を変える。たとえば手術を受けねばならないときに、ふたつの手術プランを提案されたとする。A案:手術を受けた100人のうち、1年後に90人が生存している手術、B案:手術を受けた100人のうち、1年までに10人が亡くなる手術。どちらの案を選ぶかを調査すると、どちらも同じことをいっているにもかかわらず多くの人がA案を選ぶ。数字の見せ方で判断が変わるこの例を「フレーミング」という。情報の与え方で非合理的な判断や認知をすることを「認知バイアス」といい、このようなバイアスはほかにも数多くある。

 人間は、「信号」のやりとりをするコンピュータと違い、「情報」の受け取り方にクセがある。そのクセを理解しなければ、自然環境と調和し、持続可能な社会を目指す合意を形成することはできない。環境や社会、人間の生存をまもるための道具として情報が活用されるためには、人間の情報処理の特性を理解する必要がある。

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