学術の動向
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第一部 子ども政策の総合化をめぐる問題状況
制度の「間」で子どもを見守る
荘保 共子岡部 美香
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2022 年 27 巻 6 号 p. 6_18-6_21

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抄録

 本稿は、2021年10月31日開催の日本学術会議・公開シンポジウム「子ども政策の総合化について考える」における荘保共子氏のご講演とそれに対する岡部のコメントをまとめたものである。国や地方自治体が子ども政策の総合化に本格的に取り組もうとしているいま、子ども政策の総合化を推進するにあたって留意するべきポイントが三つ挙げられる。まず、「官」の制度による保障と「民」の機動性の発揮をともに活かすことのできる官民協働の体制を構築すること、次に、アウトリーチ活動の推進によって課題を発見し可視化すること、そして、課題解決の過程ではつねに当事者(子どもとその家族)の参加と当事者中心という原則を貫くことである。最後に、残されている課題として、福祉政策の基盤となっている市町村の行政区をこえて生活するようになる高校生以上の子どもや若者に対する支援がいまだ不十分であることが指摘される。

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