2022 年 27 巻 7 号 p. 7_33-7_38
運転手を不要とするレベル4の自動運転を目指したバス(モビリティサービス)の実証実験が行われ、それを実現するための法制度の整備も進められている。ただし、様々な道路利用者と同じ空間を共有する一般道走行を考えた場合、機械であっても事故を起すリスクをゼロにすることはできない。機械が起こした事故を社会が受容し、科学技術イノベーションが適切に社会実装されることを目指して行われている、ELSIを踏まえた自動運転技術の現場に即した社会実装手法の構築への取り組みを紹介する。バスの実証実験走行を行い、そのデータの可視化を図り、住民に自動運転に触れる機会を提供する。科学技術コミュニケーションを通じて技術を適切に理解してもらい、法的、制度の課題を挙げ、住民から意見を基に論点を抽出する。それらの活動から、レベル4自動運転のモビリティサービスを全国、そして海外に展開できるモデルを構築することを目指す。