新型コロナによる在宅勤務と自宅療養がもたらす当事者と家族の負担増加について調査を実施した。いずれも家事育児やケアの負担を増加させており、しかも女性が多くを担っている。自宅療養者およびそのケアをした人たちが仕事を休業した場合、その期間の給与の扱いは雇用形態により異なる。女性に多い非正規雇用では無給休業の割合が高い。ケアという社会的に必要な労働をした人が、それを評価されないばかりか、かえって経済的不利益を被る「ケアペナルティ」が存在するのは問題だ。人口高齢化に加えて「ウィズコロナ」の「病い」と「ケア」が常態化する社会を正常に回すためには、病気療養とケアというシャドウワークを可視化し、その価値を評価して対価を支払い、経済システムに内部化することが必要だ。たとえば雇用形態にかかわらず取得できる有給の「病気休暇」および「ケア休暇」を制度化し、さらにケア手当の支給も検討すべきだろう。