学術の動向
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ウィズ/ポストコロナ時代の民主主義を考える ─「誰も取り残されない」社会を目指して─
コロナ・パンデミックと社会変容
山田 真茂留
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2022 年 27 巻 9 号 p. 9_50-9_52

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抄録

 コロナ・パンデミックは、医療制度の弱い国や、病院へのアクセスが難しいエスニシティなどに対して、とくに厳しい影響を与える。またそれ自体はウイルスによる現象ではあるものの、この大問題と格闘していく主体は個々の人間社会にほかならず、その対処法は国や地域によって随分と違ってくる。したがってコロナ・パンデミックは単なる自然科学の対象に留まるものではなく、社会・文化・政治・経済全てを巻き込む広い意味での社会現象と言うことができよう。日本社会の場合、その対処法に関して、情報の収集や周知の仕方に難があり、また行動制限等の方針に一貫性が欠けていたため、人々の信頼を相当に損なってしまった。そして、この信頼の稀薄さには、もともと日本人が権威なるもの一般に対して深い不信感を抱いているという事情も効いていよう。このパンデミックによって日本人の信頼感がさらにどのようなものになっていくのか、注目されるところである。

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