東北森林科学会誌
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論文
宮城県における森林インストラクター養成事業の成果と課題
高橋 秀哉比屋根 哲
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2006 年 11 巻 1 号 p. 14-22

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抄録

本研究は,宮城県の森林インストラクター養成事業の成果と課題について検討したものである。調査の方法は,資料の分析,聞き取り調査,アンケート調査法で,これらの結果をもとに事業の実施状況,森林インストラクターによる養成講座の評価,講座修了後の森林インストラクターの活動状況や意識状況を把握した。検討の結果,養成講座は森林・林業・野外活動の基本的な学習の場として,受講者個々の関心や興味に応じた学習をすすめるきっかけになっていた。また,インストラクター間で相互交流が持続し,森林インストラクター同士の経験不足を補う役割を果たしていることがわかった。また,森林インスラクターは,森林や林業に幅広い知識と地球環境や森林の多面的機能を重視する意識を持っており,森林利用者の多様なニーズに対応し得る可能性があることがわかった。これらのことから,宮城県の森林インストラクター養成事業は一定程度の成果をあげていることがわかった。今後は,受講者のニーズを考慮した講座カリキュラムの改善と森林利用者や地域に向けてインストラクター活動を積極的にピーアールする取り組みが必要である。

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© 2006 東北森林科学会
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