抄録
東北地方の多雪地帯にある森林総合研究所山形実験林において,2013/2014 年冬季に落葉広葉樹林およびスギ林の降雪遮断特性,融雪特性について調べた。冬季の積雪水量は「気象露場>広葉樹林>スギ林」の順で,降雪遮断率は広葉樹林 13.4%,スギ林 33.1%であった。しかし,樹冠通過降水量の比から求めた降水遮断率は,スギ林で降雪遮断率より低く,冬季の降雨や樹冠からの融雪水滴下が比較的多かったと推察された。融雪期になると積雪水量の大小は逆転し,消雪日は広葉樹林が露場より4日遅く,スギ林は広葉樹林より8日遅かった。日平均気温はスギ林の方が広葉樹林より最大で1°C近く低かった。Degree-Day法の融雪係数を試算すると,広葉樹林と露場の値は既存研究で推定された日本海側山岳域の値とほぼ同じであったが,スギ林の値はより小さく,林種により気温差以上に融雪の早さが異なることが分かった。