2020 年 25 巻 2 号 p. 37-40
本研究では,東北地方日本海側に位置する,山形大学附属上名川演習林において実施されたカメラトラップにもとづく哺乳類相について報告する。カメラトラップ調査は以下の2通りの手順で実施され,一方は2014年,2016年,2018年,2019年 6月~7月に森林内部の獣道沿いにカメラを設置し,もう一方は2019年2月~2020年1月に林道沿いにカメラを設置した。これらのカメラトラップ(計3286カメラ日)から,13種の哺乳類を撮影することができた。ただし,2種類のカメラトラップ間では撮影された種数や割合が異なっており,カメラ設置場所や方法の違いが反映されている可能性が考えられた。本研究では山形県でも近年分布を広げているイノシシとニホンジカも撮影され, 今後これらの種の個体群の状況を確認していくことが重要だと考えられる。