デシカント空調機のコンパクト・高出力化を目指した熱・マイクロ波照射ハイブリッド空調機を提案し,本研究では,吸着過程と同湿度空気(Case-1)および吸着過程の湿度より低い湿度空気(Case-2)を用いた条件下のマイクロ波照射加熱による吸着水の脱着促進効果について脱着率,脱着速度を指標とする評価を行った.実験では,ゼオライト充填層による温風温度(50-100℃),マイクロ波強度(30-100W),3種の初期吸着量条件下の脱着過程における充填層内温度,層出入り口の湿度の測定を行った.その結果,以下が示された.1)Case-1,Case-2の熱収支は同一手法で評価できる.2)Case-2の温風系脱着率を基準とするマイクロ波併用系の脱着時間,熱効率は温風系のそれぞれ最小0.3倍および最大1.3倍となり,温風加熱型デシカント空調機に比べて処理空気量の1.25倍の増大,もしくは吸着ローター断面積の0.8 倍の低減が可能になることを示唆している.3)マイクロ波の導入は効率的な高度脱着に寄与する.