日本冷凍空調学会論文集
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原著論文
実測調査に基づく冷却塔のヒートアイランド対策効果に関する研究
竹林 英樹笠原 万起子田辺 慎吾髙山 眞
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2015 年 32 巻 3 号 p. 317-323

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抄録

冷却塔によるヒートアイランド対策効果について,冷却塔排熱の潜熱比に注目して,冷房負荷,気象条件との関係に基づき分析した.冷却塔を導入することで,①空調負荷が大きい場合(冷却塔定格値795kW の3/4 以上)には,ファンが稼働して潜熱交換量が増加するが,顕熱交換量も大きくなった. ②空調負荷が中程度の場合(定格値の3/4 程度)には,ファンが稼働してほぼ潜熱交換量のみで熱交換が行われた.③空調負荷が小さい場合(定格値の1/4~3/4)には,ファンが稼働して潜熱交換量が増加すると,潜熱比が100%を越える結果となった.空調負荷が小さい時に,冷却塔を稼動させ,強制的にファンも稼動させると,顕熱交換量が負値となり,より大きなヒートアイランド緩和効果が得られると考察された.

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© 2015 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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