2016 年 33 巻 3 号 論文ID: 16-19NR_OA
室温磁気冷凍機で用いる磁性材料の候補として近年,マンガン系化合物が開発され,この材料は単位体積あたりの磁気エントロピー変化量が大きい一方で,大きな磁気熱量効果を発揮する温度範囲が比較的狭いという特性を持つ.本研究では,キュリー点温度の異なる複数のマンガン系材料を配列したときの,磁性材料充填ダクト両端での温度差(温度スパン)について,実験によって明らかにした.複数の材料を配列したほうが,単一材料を用いた場合より大きな温度スパンが得られ,磁性材料充填ダクト内の温度分布が,各材料の磁気エントロピー変化量が最大となる温度付近に対応していることがわかった.