本研究では,常温のTBAB 水溶液に金属電極を用いて電圧印加を行い,電圧印加後の試料を凝固点以下の所定の温度で冷却することにより,TBAB 水溶液の過冷却解消に対する電圧印加の影響を明らかとすることを目的として,実験的に検討を行った.水溶液濃度,電圧を印加する時間,電極の材質などを変化させ,過冷却解消確率を求めた.その結果,銅電極を用いた試料では,電圧を印加していない試料と比較すると,顕著な過冷却解消効果が見られることがわかった.この効果は,生成するTBAB 水和物の種類によらず有効であることがわかった.また,銅電極の他,亜鉛,銀を電極とした場合にも,同様な効果が得られることがわかった.一方,アルミニウム,炭素を電極とした場合には,高い過冷却解消効果は見られなかった.