2018 年 35 巻 3 号 p. 151-
本研究では潜熱蓄熱材を用いた熱媒体の候補としてエリスリトールスラリーを提案し,安定的な配管搬送技術を確立するため,冷却管内における管閉塞に関する検討を行った.固相率5~20 wt%のエリスリトールスラリーを円管内に流し,冷却部で壁面にエリスリトール結晶が付着する条件を検討した.冷却温度およびレイノルズ数をパラメータとした実験により以下の傾向を明らかにした.レイノルズ数1100 以下で固相と液相が分離した流れになる条件のとき,底部にエリスリトール結晶が堆積し付着を引き起こすため非常に閉塞しやすい.レイノルズ数1100 以上で不均一な流れになる条件のときは,管内上壁面にエリスリトール結晶の付着が生じ,一度付着し始めると,時間経過とともに付着量が増加し,やがて管閉塞に至る.さらにレイノルズ数が高く均一な流れになる条件では,付着が発生しても,付着量は増加しにくく,長時間安定して流動可能である.また,不均一な流れから均一な流れに遷移するレイノルズ数は,固相率による影響が非常に大きい.以上の結果より,エリスリトールスラリーの管閉塞には,流速,冷却温度だけでなく流動様相の影響が大きいと考えられる.