日本冷凍空調学会論文集
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原著論文
ケミカル式冷凍機における蒸発器性能向上に関する検討
-水溶液成分および物質移動の影響-
小林 英資廣瀬 裕二小倉 裕直
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2020 年 37 巻 3 号 p. 233-

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抄録

廃熱等を駆動エネルギー源とした未利用熱駆動ケミカル系ヒートポンプを用いることで,ほぼその熱エネルギーのみでケミカル式冷凍機が駆動可能となる.本報では,水溶液成分および物質移動に着目した蒸発器性能向上を目的として実験的および理論的検討を行った結果,以下のことが明らかとなった.蒸発水溶液としてEG 30 wt% - NaCl 10 wt%水溶液を用いることにより,EG 40 wt%水溶液と同様に258 K 以下の冷熱生成が可能である.蒸発抵抗の違いによって冷熱生成特性に違いがあり,無機塩を加えた水溶液はより低温での使用や長時間保冷に適している.また,攪拌機使用および蒸発器位置変更により,反応初期における蒸発促進効果が得られ冷熱出力増加が可能となる.

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© 2020 公益社団法人 日本冷凍空調学会
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